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「内部統制」って何ですか?
「内部統制」の意味がよくわからない
企業が事業目的(戦略)を達成する過程にはさまざまな妨害要因(リスク)があります。例えば、取引先を拡大すれば取引先の中から倒産する会社が出てくるかも知れないというリスクも増大します。そんな時、取引先の信用調査を行い、信用度によって取引額を制限するというルール(与信管理)を制定するのが一般的ですが、その与信管理のルールはまさに、内部統制の一例です。
会計処理を間違えないために伝票をダブルチェックする仕組み、個人情報流出を防止するために、人事部のサーバーへのアクセス制限を設ける、業者との癒着をけん制するための相見積り制度、などなど企業を健全に保つための社内の「仕組み」こそが「内部統制」の実態です。
一般に、内部統制は、
1.業務を有効、効率的に。
2.法令や会社のルールの遵守。
3.正確な決算書の開示。
という3つの目的のために企業活動に組み込まれて一体となって機能する
「仕組み」と説明されます。
内部統制の概念図

※書籍「会社員のための内部統制入門」より/図をクリックすると拡大表示されます。
なぜ、今、「内部統制」なの?
最近「内部統制」が騒がれているのは、内部統制についていくつかの法律が制定されたり、されようとしているためです。
まず、米国で起きた巨額の決算粉飾事件がきっかけになり、マーケットを守る「企業改革法(通称SOX法)」が米国で2002年に制定されました。この法律は粉飾決算を行った上場企業の経営者の責任を重く問うとともに、これまでの会計監査とは別に、財務報告目的の内部統制について法定監査を企業に課した法律です。
そして、日本でも、施行予定の金融商品取引法により、2008年4月1日以降に開始する事業年度から、上場企業には監査法人による内部統制監査が導入されます。
また、内部統制の構築責任が経営者にあることは、大和銀行NY支店の巨額不正事件の判決(2000年)で明らかになっていましたが、今年5月に施行された会社法ではそのことが条文上、明文化されました。例えば、内部統制が不備なために従業員が不正行為を行えば、経営者の管理責任が問われるということが明文化されたということです。
会社法の「内部統制」とJ-SOX法の「内部統制」は同じ?
会社法が要請する内部統制システムは官公庁や監査法人によってチェックが入るというものではありません。あくまで有事の際に、会社の内部統制システムが十分機能していたかを問われることになります。
また、会社法の要請する内部統制システムはコーポレートガバナンスやリスクマネジメントまで含んだ広義の内部統制システムを対象としています。これに対し、いわゆるJ-SOX法が対象とする内部統制は「財務報告目的の内部統制」に限定されています。
さらに、上場企業では、経営者が当該内部統制を評価し、その状況を監査法人が監査するという制度が導入されます(2008年4月以降の事業年度より)。財務報告目的の内部統制に対しては、外部の厳しいチェックが入るようになるという点で外部監査に耐えうる可視化つまり文書化作業が必要になるということです。
内部監査と監査役監査の違いは?
内部監査は、経営者が会社の経営のために行います。各取締役には相互に監視義務があります。また、取締役会には取締役の監督義務があります。
内部監査は取締役および取締役会の監視、監督義務を実行面で支援し、内部統制全般の有効性を確保するために機能します。具体的には、内部監査部などといった他の部署や業務上のラインからは完全に独立したセクションのスタッフにより、独立客観的に内部統制の有効性監査を行います。
一方監査役監査は取締役の職務の執行を会社機関として監査します。監査役は株主総会で選任され、株主のためにガバナンスの一端を担います。よって、両者の違いは「誰が誰のために」というところにあります。
中小企業には関係ない話?
中小企業に対しては、監査法人による内部統制監査が導入されるわけではありませんが、そもそも内部統制は経営者や従業員を守る仕組みですので、特に、社内不正や非効率を防止する仕組みは、従業員に対する責任としても、必ず構築すべきものです。かといって、大企業のような仕組みの構築は予算的にも難しいでしょう。
そこで、費用対効果の高い手法としてお勧めできるのは、会計数値を社内で透明化する方法です。ビジコムではこれを「透明会計」と呼んでいます。
まず、経営者が数字に明るいことはそれだけで大きな牽制システムとなります。そして、社員にも会社の業績を公表し、皆で会社の経営成績を議論していれば大抵の不正や非効率は防止できます。その場合、月次決算の早期化、部門別損益管理、予実分析などを行う必要があり、経理が正確・迅速に行われる仕組作りが最低限必要になります。

